パーソナルトレーナーとスポーツトレーナーの違いとは?

「パーソナルトレーナー」と「スポーツトレーナー」は似た名称の職業ですが、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれの仕事内容と、働き方、関係する資格などについてまとめ、違いについて解説します。

パーソナルトレーナーの特徴

パーソナルトレーナーとは、主に一般の人を対象に、トレーニング指導を行う仕事です。

トレーニングの目的は、ダイエットや健康目的、コンディション調整など、顧客の要望に応じてさまざまなメニューを作成し、フォームの確認などをしながら適切な方法でメニューを実施できるように指導します。一般の人や芸能人などさまざまな分野の人が利用するトレーナーです。

パーソナルトレーナーの働き方・契約形態

パーソナルトレーナーの働き方や契約形態は、大きく分けて2種類です。会社から任されたクライアントを担当する「雇用契約」や「業務委託」と、自分でクライアントを探していく「開業」です。

「雇用契約」や「業務委託」の場合、収入はある程度安定しますが、トレーニングメニューの作り方などに関する自由が制限される場合があります。

一方「開業」は自由にトレーニングメニューを設定できますが、収入が安定するかどうかは、営業スキルやパーソナルトレーナーとしての実力によって左右されるでしょう。

パーソナルトレーナーになる方法

ではパーソナルトレーナーになるために、どのような流れをたどるのが一般的なのでしょうか。

多くの人は、体育・スポーツ関係の大学・専門学校を卒業後、スポーツジムやフィットネスクラブなどに入社して実績を作ります。他の分野の学校を卒業した人でも採用してくれる場合はありますが、多くの会社は即戦力を望んでいるため、業界の未経験者が採用されるチャンスは限られるでしょう。

大学や専門学校よりも社会人が利用しやすいスクールが多くあります。週末や仕事帰りなどにコツコツ通えるタイプのスクールを活用することで、まずは専門的な知識をしっかりと身につけることが重要です。

パーソナルトレーナーの資格

パーソナルトレーナーになるために必須の国家資格はありません。つまり無資格でもパーソナルトレーナーとして活動することはできますが、取っておくと有利な民間資格があります。

よく知られたものとして「パーソナルトレーナー三大資格」と呼ばれる3つを以下に挙げます。

NESTA-PFTは、専門系の学校を卒業していなくても、公式の養成講座、養成コースを受講することで、受験資格を得られるようになっています。

NSCA-CPTの規定では実務経験が問われないので、独学でも取得可能な資格ですが、試験に合格するには実戦的な知識が不可欠です。

JATI-ATIについても、公式の養成講習会に出席することで受験資格を獲得できますが、前述の「NSCA-CPT」を取得していれば養成講習会の受講が免除されるので、効率的に取得できます。

スポーツトレーナーの特徴

スポーツトレーナーとは、プロやアマチュアのスポーツ選手を対象とするトレーナーです。選手の能力を高めるためのトレーニングや、コンディション調整、ケガをした選手のケアなど、さまざまな面からサポートをします。

スポーツトレーナーの働き方・契約形態

スポーツトレーナーの働き方も、いくつかのタイプがあります。プロのチームや選手と契約する場合は「年俸制」で1年更新の契約で働くというケースが多数です。

また「正社員」「派遣社員」「契約社員」など一般的な雇用契約を結んで仕事をする場合もあります。

普段はスポーツジムなどに雇用契約として所属し、必要があるとスポーツチームなどにトレーナーとして派遣されて活動するという人もいるようです。

スポーツトレーナーになる方法

スポーツトレーナーになるために、まずは関連する分野の専門学校や大学を卒業して専門知識を身につけるのがほとんどです。独学でスポーツトレーナーになるケースはまれでしょう。

スポーツトレーナーに特化した学科を選択することもできますし、医療系の学科を選ぶことも有効です。どの学科を選ぶかは、どのような資格を取得したいかによっても変わってきます。

スポーツトレーナーの資格

スポーツトレーナーについても、必須の国家資格はありませんので、無免許でも活動できます。とはいえほとんどのスポーツトレーナーは、何らかの資格を持つことで、専門知識やスキルを向上させ、信頼を得ながら活動しています。

スポーツトレーナーに役立つ資格は多岐にわたりますが、主な資格として以下のものが挙げられます。

「日本スポーツ協会」と「JATAC」がそれぞれ管理しているアスレチックトレーナーに関する認定資格は、スポーツトレーナーの資格としてよく知られています。

医療系の資格である「理学療法士」「作業療法士」「柔道整復師」についても、スポーツトレーナーの仕事に役立ちます。

取得したい資格によって、適切な学科や養成スクールを選択し、効率的に学習を進めることが大切です。

パーソナルトレーナーとスポーツトレーナーの違いまとめ

この記事で紹介したパーソナルトレーナーとスポーツトレーナーのそれぞれの特徴をふまえ、二つの職業の違いをまとめると「対象」と「目的」の違いという2点にまとめられます。

まず「対象」について、パーソナルトレーナーは、主に一般の人を対象としますが、スポーツトレーナーはスポーツ選手を対象とする仕事です。

「目的」については、パーソナルトレーナーはダイエットやボディメイク、健康目的などをメインに指導を行いますが、スポーツトレーナーはパフォーマンス向上やケガのケアなどを行います。

いずれの仕事も、体のしくみや医療分野に関する専門的な知識が求められ、現場経験などの実績が必要であるという点は共通です。