日本体育協会公認アスレティックトレーナー

日本国内のパーソナルトレーナー資格としてメジャーな「日本体育協会公認アスレティックトレーナー」の特徴や活躍の場について解説します。

 日本体育協会公認アスレティックトレーナーとはどんな資格なのか

公益財団法人日本スポーツ協会が認定するアスレティックトレーナー資格は、スポーツ競技におけるテーピングやストレッチによるケガの予防や応急手当、栄養管理などを目的としています。趣味や体力づくりを目的とした一般スポーツというより、アスリートやプロスポーツ選手のサポートを目的とした資格です。

スポーツトレーナーの国家資格ない日本において、メジャーな民間資格の一つと言われています。パーソナルトレーナーにとって必須の資格ではありませんが、実戦経験や養成機関での履修などが求められるため、一定の信頼を得るのに役立つ資格です。

 取得するための方法(条件)

日本体育協会公認が認定するアスレティックトレーナー資格取得の方法は、大学や専門学校に通うか、養成講習会に参加して試験に合格するかの2通りがあります。

 大学・専門学校で取得

日本スポーツ協会が承認する専門学校や大学で養成講習会を受けると、講習と試験の一部が免除されて資格取得の条件を満たせます。民間のスクールなどは承認校に含まれていないため、教育機関に数年間通う必要があります。承認校は全国にあるため、わざわざ遠くの地域まで通う必要はありません。定められたカリキュラムを選んで事前に申請手続きをする必要があり、ただ入学・卒業するだけでは資格取得にならない点は注意が必要です。

 アスレティックトレーナー養成講習会で取得

現役のスポーツトレーナーとして働いている方は、条件を満たせば日本スポーツ協会が実施する養成講習会を受講して取得する方法を選べます。受講資格は満20歳以上で各都道府県の体育協会やJSPO加盟団体などの推薦を受けること、スポーツトレーナーとして2年以上の経験を持つことなどです。選考基準を満たしたら150時間の講習を受けたあと、理論試験と実技試験に合格すると資格を取得できます。

 日本体育協会公認アスレティックトレーナーの難易度

大学・専門学校の難易度

日本スポーツ協会の承認校には民間スクールが含まれていないため、きっちり数年間学校に通う必要があります。高校進学後パーソナルトレーナーを目指して進学するならまだしも、社会人として通学するのはかなりハードルが高いでしょう。大学・専門学校ともに数年間の通学が必要となるため、仕事と勉強の両立ができる人は多くありません。

入学のハードルさえクリアできれば試験の大部分が免除されるため、資格を取得できる確率は高いといえるでしょう。

 養成講習会の難易度

養成講習会に参加するための選考基準では競技者を対象とした実績のみ認められるため、リハビリや一般向けのトレーニング指導は対象となりません。また選考基準があり、スポーツ競技者として優れた実績を上げている人が優先されるため、かなりハードルは高いといえるでしょう。

検定試験は筆記と実技に分かれていて、合格率は10%以下の難関と言われています。体の理論と実技のリンクが求められるため、毎日の勉強を積み重ねないと合格は難しいでしょう。現役のスポーツトレーナーとしての活動も条件に含まれるため、仕事と勉強の両立も求められます。

 日本体育協会公認アスレティックトレーナーの勉強方法

基本的には、大学・専門学校のカリキュラムと養成講習会で使用するテキストをもとに勉強していきます。しかしかなり専門的な部分もあるため、民間の参考書やワークブックを活用するのも有効です。スポーツ医学の分野も役に立つため、医学専門誌などをチェックする人も多いようです。合格率が低い難関資格ですから、学校や講習会で学ぶこと以外にもアンテナを張って知識と技術を高めていきましょう。

 日本体育協会公認アスレティックトレーナー取得後の活躍の場

資格取得のハードルが高いアスレティックトレーナーですが、専門的な知識や技術を持っていることの証明となるため、活躍の場は広がります。無資格よりスポーツジムへの就職が有利になるのはもちろん、個人ジムの開業やアスリートとの個人契約など、さまざまな道が広がります。フリーランスとしてフィットネスクラブやジムと契約する際に、選考で有利になるのもメリットです。スポーツチームと契約して所属選手をサポートするなど、専門性の高い働き方も選べます。

 日本体育協会公認アスレティックトレーナーの必要性

パーソナルトレーナーとして働くためには、アスレティックトレーナー資格は必須ではありません。しかし人体の構造やケガを防ぐ方法を知ることは、安全で効率的なトレーニング指導に大いに役立ちます。選手が全力で競技に取り組むためには、アスレティックトレーナーは欠かせない存在といえるでしょう。