パーソナルトレーナーの1日のスケジュール

スポーツやフィットネス業界で、パーソナルトレーナーとして働くことを目標にしている方も多いです。しかし、パーソナルトレーナーが行う1日の業務をイメージできそうで、なかなか細かな部分までは分からないもの。パーソナルトレーナーはどのように業務をこなしているのでしょうか?実際の業務内容をご紹介します。

パーソナルトレーナーが行う1セッションの業務

通常のパーソナルトレーナーの場合には、トレーニングをスタートさせるところから、トレーニング終了までは60分の1セッションとなります。特殊なトレーニングの場合には、さらに短いトレーニング時間になるといった変動はありますが、ここでは通常のトレーニングの場合の流れを見ていきましょう。

1.クライアントのカウンセリング

クライアント(利用者)が到着すると、着替えが終わるのを待ちます。トレーニングウェアに着替えたら、パーソナルトレーナーのカウンセリングをスタート。どのような健康状態にあるのか、どの部位のトレーニングしたいのか、また今回のトレーニングで重視したい部位などがあるか確認します。

痛いところがないのかや気になる点、食べた食事の時間や内容などもヒアリングしていきます。もちろん必要なことを聞くだけでなく、雑談や日常生活に関することも含めて、カウンセリングを実施。楽しい雰囲気にするのも、パーソナルトレーナーに求められることです。

2.ストレッチや姿勢チェック

カウンセリングの内容を元に、姿勢をチェックします。そして、痛みがある部分や骨盤の位置を考慮して、準備運動やストレッチを行っていきます。左右の身体のずれなども考慮しながらストレッチをクライアントに行います。ストレッチをすることで、運動能力が上がることが期待できるので、トレーニングを行う前に効率的なストレッチをしましょう。

3.ウォームアップ

クライアントの状態に合わせて、軽い負荷の運動をして、ウォームアップをします。身体の歪みを見ておき、運動のときに癖が出てこないかも確認しておきます。さらに呼吸のバランスがあっているかもこのときに確認しましょう。

4.トレーニング

本格的な負荷をかけるトレーニングを行います。ウエイトトレーニングなのか、有酸素運動なのかは、クライアントの希望を考慮。さらにメニューの内容は、希望内容を元にして、パーソナルトレーナーが個人に合ったものを決めていきます。

5.クールダウン

トレーニングの直後は息が上がっているので、呼吸を整えたり、動かした筋肉をほぐしたり、クールダウンとストレッチを行います。トレーニング内容の説明や、次回のトレーニングの予定など、次のセッションにつながるコミュニケーションをしておきましょう。このタイミングだけでなく、コミュニケーションを積極的にとると、より良いトレーニングを提供できるようになるでしょう。

フリーランスのパーソナルトレーナーが行うべき業務

1セッションごとに業務を行いますが、それだけではありません。セッションの合間に行う業務も紹介します。

トレーニング指導

トレーニングの際だけでなく、セッションが始まる前に事前にトレーニングメニューを決めたり、カウンセリングの結果を盛り込む必要があります。パーソナルトレーナーにセッションを依頼するということは、クライアントは健康に何らかの関心や目標、悩みなどがあるので、何がニーズなのかを読み取るかが大切です。また、トレーニング中やトレーニングの合間に、クライアントの身体の歪みや健康状態などを察知し、クライアントが気付いていない内容を伝えつつも、その日のトレーニングメニューを変えるべき時もあるでしょう。もちろん、トレーニングが終了してからのフィードバックもトレーニング指導に含まれます。

また、怪我や故障を防止するために、必要に合わせてトレーニングの内容の変更や中止も決定しなければいけません。トレーニングの専門家として、クライアントの背中を押すだけでなく、しっかりとブレーキの仕方も教えてあげるべきです。何が成長している点なのか、今後の課題となる点をアドバイスし、次のセッションまでに自主トレーニングできる内容も伝えられるとより良いでしょう。

ダイエットや健康のための食事指導

健康状態はトレーニングだけでは、良い状態をキープし続けられません。必要なのは、トレーニング以外にも適切な食習慣をキープすることです。クライアントの健康増進や減量には、食事もコントロールしなければいけないのです。

カウンセリングの内容で食生活も把握できますので、クライアントの食生活が栄養の総量で足りていないのか、または過剰摂取しているのかを確認します。栄養学の観点から、問題点を見つけ出し、どのように改善できるのかをアドバイスしましょう。

また、食事を変更するのは、クライアントにとって大きな変化です。急激に食事の変更をすると、クライアントにとってもストレスになりますので、現在の食事をベースにしながら、どのような修正ができるのか提案します。もちろんアドバイスして終わりではなく、モニタリングをして追加のアドバイスも必要になるでしょう。

設備の手入れや集客の準備

パーソナルトレーナーとして仕事をするには、設備の手入れをしたり、集客の準備をすることも大切です。いつでも予約で埋まっており仕事がある状態というのは、なかなかになし得えにくいことでしょう。しかし、だからこそ、予約が入っていない時間帯があれば、その時間を使って設備のメンテナンスや集客の準備をします。

SNSを使って情報発信やマーケティングをしたり、チラシを配ったりと地道に宣伝することも大切。来店のきっかけを作り、興味を持ってもらい入会へとつなげていくのです。集客をするには、ブログやホームページを更新することも一つの手です。インターネット上だけでなく、実際にチラシを作ったりと様々な方法で集客できるようになれば、より安定した経営に繋がります。

フリーランスのパーソナルトレーナーの1日

パーソナルトレーナーがどのような1日を過ごしているのか見てみましょう。

6:00 起床

起床して、出勤する準備を始めます。

ジムの営業時間やシフトなどによって起床時間も変わります。7時に出勤する場合は、朝6時や5時に起床しなければいけませんし、お昼ごろに出勤するシフトの時は9時起床でもいいでしょう。

朝食を食べる場合は栄養バランスにも気を付けましょう。パーソナルトレーナーは運動の指導だけでなく食事の管理指導をおこなう場合もあります。日頃から自身の食事管理にも気をつけていないと正しい指導はできません。

7:00 出勤

契約しているトレーニングジム、もしくは自身所有のジムに出勤します。

8:00 トレーニング開始

フィットネスクラブで指導をしたり、受付をしたりします。指導をすれば終わりではなく、セッションの合間には、事務作業があったり、清掃なども実施。午前中にセッションが組まれていればこの時点から指導を行います。

朝の支度が完了すれば、ジムへ出勤します。朝早いシフトの場合は7時に出勤する場合もありますし、お昼ごろの場合は9時や10時に出勤します。

そして、ジムに到着した後は、着替えと店舗の掃除、お客様から送られたメールの確認やトレーニングメニューの作成、予約状況の確認など行います。

午前のトレーニング・セッション

予約されたお客様が来店すると、トレーニング・セッションの開始です。トレーニングセッションの時間は、40分や50分を1セットとして5本前後担当します。

お客様の中には、自分が受けているトレーニング方法でどのような効果が期待できるのかを詳しく知りたいと思う人もいます。パーソナルトレーナーは、お客様とコミュニケーションをとりながら何か不明点や質問があるか、体調に異変などないかを都度確認することも大切です。

なお、1回のセッションにつき、10分程度の休憩をとることができるので、その間にトイレやメールチェックなど済ませます。

13:00 昼休憩

ジムによって休憩時間は、13時や15時など多少異なりますが基本的に13時以降です。また、休憩時は、各々外食や持参したお弁当など、自由に食事をとることができます。

14:00 午後のセッション

休憩後14時~16時は、午後のトレーニングセッションを始めます。夕方から夜は、仕事終わりの会社員も多く、午前中よりも忙しい傾向にあるようです。また、午後のトレーニングセッションは20時~22時頃まで行うため、お腹も空きやすくなります。

そのため、セッション間に水分補給や栄養補給をしながら、帰宅後の食事量を増やさないようバランスを整えるのが大切です。

予約が入っていない場合には、集客の準備をしたり、食指導のモニタリングの返信をしたり、次のセッションのトレーニングメニューを決めます。

15:00 ブログ執筆・計画書作成

セッションの合間には、ブログやSNSで情報発信したり、トレーニングの計画書の作成などをします。

17:00 自身のトレーニング

予約が入っていない時間帯には、自身のトレーニングも欠かせません。身体が衰えないように、しっかりとトレーニングします。

18:00 夕食

夜のセッションに備えて夕食を取ります。

19:00 夜のセッション

夜の時間帯しか時間を取れない人向けに、夜のセッションを行います。最後のセッションが終了すれば、勤務終了となります。

営業終了および退勤

20時~22時頃に営業が終了するので、備品や器具の片付けや清掃などを行います。こういった雑務は、大規模なジムよりもパーソナルジムの方が、比較的負担の少ない傾向のようです。なぜならパーソナルジムは、トレーニング器具の数が大規模なジムに比べて比較的少なく、スペースもコンパクトにおさまるためです。

雑務が終了した後は、退勤および帰宅します。夜に食べ過ぎてしまうと太る可能性もあるため、帰宅後の食事に気を付けるのもパーソナルトレーナーの仕事です。

まとめ

パーソナルトレーナーは、会社員と同じく朝5時や6時に起床することもあれば、7時や9時に起床するケースもあるようです。出勤後は、お客様のメール確認やトレーニングメニューの作成など準備を行います。

そして、お客様の来店後は、トレーニングセッションを始めて昼休憩を挟みながら、20時~22時頃まで行う流れです。

なお、プロアスリート専属トレーナーの場合は、海外遠征やチーム遠征などに帯同することもありますし、フリーランスは状況によって勤務時間も変わります。

まずは、今回紹介したジムに勤めるパーソナルトレーナーの一日を参考にしながら、トレーナーの働き方をイメージしてみてください。