パーソナルトレーナーの種類は、顧客にジムへ通ってもらう「店舗型」と、顧客の自宅へ訪問してセッションを行う「出張型」の2つです。出張型のパーソナルトレーナーになるメリットとデメリットについて、店舗型と比較して解説します。
店舗を確保するための賃貸料や、水道光熱費などの「固定費が少ない」という点が出張型のパーソナルトレーナーのメリットです。
店舗が無ければ、受付などに人を雇う必要性がなくなり、人件費も少なくて済みます。自分一人でも営業できるのが、出張型パーソナルトレーナーの魅力です。
家賃や人件費などの固定費が大きくなると、赤字にならないためにもより多くの顧客を集めて、大きな収入を得る必要性があります。固定費を低くできることは、赤字リスクを減らすことにもなるのです。
出張型の場合、ジムに通う時間が無いような「忙しい人」も顧客にしやすいというメリットがあります。
店舗型のパーソナルトレーナーを利用するには、ジムまで通うための移動時間が必要です。忙しい人は、そのために時間を割けないこともあるでしょう。利用者にとって、出張型のパーソナルトレーナーは、そのような移動の時間やコストがかからないのがメリットです。
つまりパーソナルトレーナーにとっては、そのようなニーズのある顧客にアプローチして、利用してもらいやすくなります。
店舗型のパーソナルトレーナーは、ジムの立地条件によって売上が左右されることがあります。一方の出張型なら、そのリスクが無いのがメリットです。
立地の良い場所にジムを構えようと思えば、家賃が高くなりがちです。かといって、節約のために立地条件の悪い場所を選ぶと、売上が減る可能性があります。
立地条件の判断基準は、最寄り駅などの「アクセス」だけではありません。周辺にライバル店が出店したりなど、さまざまな外的要因に左右されます。適切な立地を選ぶのは難しく、営業を始めてみないと分からない面もあるでしょう。この点で出張型なら、ジムの場所を選ぶ必要がなく、立地による悪影響を受ける心配がありません。
店舗型のパーソナルトレーナーは、「店舗がある」というだけで信頼を得やすい傾向があります。出張型の場合、その傾向を利用できないのがデメリットです。
「店舗がある」ということは、それだけ賃貸契約ができる信用があり、家賃を払えるだけの利益があることのアピールになります。さらに「他の利用者」がいる様子を顧客が見ることは、安心感につながり、信頼を得やすくなる要素です。
一方、出張型のパーソナルトレーナーは、その方法で信頼を築くことができません。実力や利用者の紹介など、信頼を築くために、他の方法で工夫をする必要があります。
出張型は、利用者にとっては移動の手間が省ける便利さがありますが、それは逆にパーソナルトレーナー自身にとっては「移動の手間がかかる」ということです。移動に時間がかかる分、一日あたりに実施できるセッション数が減少することになります。
出張型は顧客一人ひとりにかける時間が長くなりやすく、店舗型と同じレベルで顧客の数を増やすのは難しいといえるでしょう。時間を掛ける分、利益が減るとは限りませんが、移動にかかる時間や出費についてはよく考慮しておく必要があります。
出張型のパーソナルトレーナーは、店舗型と比べて「顧客のモチベーションを維持しにくい」という傾向があります。顧客はジムに通うことで、自分と同じように運動に関心のある他の利用者と交流したり、整った設備に囲まれたりなど、環境を利用してモチベーション維持・向上に自然とつながります。
一方の出張型は、自宅などでトレーニングを行うため、自分に甘くなり、モチベーションを保てなくなる顧客もいるでしょう。顧客のモチベーション維持は、顧客の継続性に影響し、収入に直結します。
もちろん店舗型でもモチベーション維持をする工夫が要らないわけではありませんが、出張型は、より一層の工夫をする必要があると考えておきましょう。
出張型は家賃や人件費などの「固定費」が少ないため、副業としてパーソナルトレーナーをする場合に適しています。前述のとおり出張型は「顧客の数を増やしにくい」のがデメリットですが、副業であればその点は大きな問題にならないでしょう。
ジムへの移動がしたくない、もしくはそれが「不可能」という人のニーズに応えられるのは、出張型パーソナルトレーナーの大きな強みです。
リハビリが必要な人など、ジムへの移動ができない人・困難な人を対象に活動するなら、出張型が適しています。
仕事で忙しくてジムに移動する時間がない人、人の多い場所ではトレーニングをしたくない人など、店舗型を不便に感じる理由はさまざまです。そのようなニーズに応えて活動したい場合は、出張型を選びましょう。