鍼灸師

WHO(世界保健機関)でも認められている、ツボを刺激して治療する「鍼灸師」についての紹介です。

鍼灸師とはどんな資格なのか

「鍼灸師」は全身にあるツボに、「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」を用いて刺激を与えることで、治療をする職業で、現在では従来の不調を治すための治療以外にも、美容目的でも利用されており、美容目的専門の鍼灸院を開業している人もいます。

実は、「鍼灸師」という資格は存在しない

鍼灸師という言葉は浸透して、一般的な資格だと思われていますが、実は鍼灸師という資格はありません。「はり師」という国家資格と、「きゅう師」という国家資格、この双方の有資格者がなることが出来る、職業の名称が鍼灸師です。双方の資格には、「ツボ刺激」が主な施術であることなど共通点が多いことから、両方の国家資格を取得する人がほとんどです。

はり師ときゅう師の違いとは?

はり師とは、個々の症状によ、適切な場所(ツボ)に鍼をさして刺激を与える治療をします。それに対してきゅう師は、同じように症状に合わせたツボの部分を刺激しますが、その方法が異なり、鍼ではなくて「もぐさ」を燃やす灸で行います。

WHO(世界保健機関)でも、有効性を認められている鍼灸療法

鍼灸療法は、世界保健機関でも有効性を認められている治療です。その認められている症状は40以上もあり、「肩こり」「五十肩」「腰痛」などの一般的な鍼灸院の治療内容のイメージのものから、「気管支喘息」「扁桃炎」「冷え性」「不妊」「眼精疲労」「耳鳴り」「消化不良」「不眠症」まで、幅広い症状の効果が認められています。そのため、これらの治療は病院には行かず、鍼灸院で継続して治療を受けている人も多くいます。

取得するための方法(条件)

鍼灸師になるには、「はり師」「きゅう師」の資格取得が必須

「はり師」「きゅう師」の2つの国家資格が必要な鍼灸師ですが、試験は別々でも同時に取得することができます。国家資格である「はり師」「きゅう師」を取得するには、「鍼灸学科がある4年制大学・3年制短大」もしくは、「鍼灸系の専門学校」に3年以上通います。学校によっては、社会人などを対象とした、夜間や土日を利用して通える学校もあります。

その後、国家試験を受験し、合格したら申請、それぞれの免許取得が一般的な流れです。

鍼灸師のテキスト・問題集の購入方法

参考書や問題集は、一般書店で2,000円〜5,000円くらいで、たくさんの本が販売されています。

鍼灸師資格取得が目指せる
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鍼灸師の難易度

鍼灸師になるには、「はり師」「きゅう師」両方の国家資格取得が必要です。それぞれ毎年年に1回実施されています。

試験内容は、「医療概論(医学史を除く)」「衛生学・公衆衛生学」「関係法規」「解剖学」「生理学」「病理学概論」「臨床医学総論」「臨床医学各論」「リハビリテーション医学」「東洋医学概論」「経絡経穴概論」「はり理論及び東洋医学臨床論」についてで、4択問題が出題されます。実技試験はありません。

はり師の国家試験

はり師の国家試験は、毎年4,000人以上が受験しています。合格率は、年によっても異なりますが、70%を超えていることが多いようです。

きゅう師の国家試験

きゅう師の国家試験も、毎年4,000人以上が受験していますが、合格率は「はり師」よりも少し高めの印象で、70%台後半が多いようです。

試験内容は、はり師国家試験と同じような内容ですが、最後の項目が「はり理論及び東洋医学臨床論」ではなく、「きゅう理論及び東洋医学臨床論」に変わります。こちらの試験も、実技試験はない4択問題です。

鍼灸師取得後の活躍の場

鍼灸師として働く人の活躍の場は、主に美容系・医療系に広がります。

スポーツトレーナーとして、フィットネスジムなどで勤務、開業している人も「基礎医学・スポーツ医学・運動生理学・解剖学」などの専門的な知識が必要となるため、その一環として鍼灸師の資格取得者も多くいます。

美容については、美容専門の鍼灸サロンでの勤務や開業が人気です。モデルなどの芸能人の中でも、美容のために鍼に通っているとSNSなどにUPしているのをよく見かけ、雑誌に掲載されていることも多いメジャーの美容の一つとして認知されています。

また、医療の現場では「鍼灸院」「鍼灸接骨院」「治療院」での勤務・開業はもちろん、介護・福祉施設。医療施設での勤務でも需要があります。

鍼灸師の必要性

鍼灸師は、西洋医学を補う意味で需要が多くあります。日常のちょっとした不調の調整に定期的に鍼灸院に通う人も多く、美容面でも注目されることも多いのが鍼灸師の仕事です。

ツボなど身体に対する知識が深くなるため、他の資格との併用でスポーツトレーナなどの仕事では顧客の信頼を得る手段にもなるでしょう。