ここでは、フィットネスの本場、アメリカで開発されたFMSについて、理論の概要や資格の取得方法、難易度などについてご紹介します。
FMSとは、アメリカ人の理学療法士、グレイ・クック氏とリー・バートン氏の2人によって開発された理論。トレーニングを行う人の身体機能を7つの基準で判定することで、それぞれの人に最適なトレーニングメニューの土台情報を得ることを目的としています。
両氏が考案した7つの基準とは以下の通りです。
これら7つの項目をお客さんに実践してもらい、それぞれの項目について、1~3点でトレーナーが評価。21点満点のうち何点取ったかにより、お客さんの身体能力を把握します。 あくまでも理論・知識を問う資格なので、実技試験は必要ありません。
資格の主催団体が行っているセミナー「レベル1」と「レベル2」を、3日間にわたって受講。のちweb試験に合格することで、資格を与えられます。
主催団体が行っている3日間のセミナーを受講したのち、web上で試験を受け、合格すればFMSの資格が付与されます。
セミナーを受講後、一定期間の間で3回受験することが可能。加えて、web上での受験システムということもあり、合格率は高めです。よって難易度は、決して高くはありません。
FMSとは、人間の体の仕組みに基づき、理学療法士が開発したトレーニング理論。よって、お客さんの体に無理な負荷をかけず、それぞれに応じた適切な個別メニューを作ることができるようになります。パーソナルトレーナーとしては、ぜひ身に付けておきたい知識です。
パーソナルトレーニングジムに通うお客さんは、その大半が運動不足・筋力不足の状態。そのようなお客さんに対し、無理な筋力トレーニング等を課した場合、関節などを傷めるリスクがあります。無理のないトレーニングメニューを戸別で作ることができる点において、FMSは有効な知識と考えて良いでしょう。
お客さんの体の状態をよく理解したうえで、適切なトレーニングプログラムを提供できるようになる、という点において、FMSはとても有効な資格でしょう。
しかしながらFMSの資格のみを取得することで、すぐにでもパーソナルトレーナーとして採用されるかと言えば、「難しい」と言わざるを得ません。なぜならば、FMSよりも包括的かつ実践的に学ぶことができる資格が、他にあるからです。採用する側から見れば、「FMSを持っていることは評価するが、なぜ他の実践的な資格ではなくFMSなの?」という印象となるでしょう。
FMSの資格は、確かにパーソナルトレーニングの現場で活かすことができます。ただし、より包括的・実践的な技術を習得した後にFMSの資格が有効となる、という位置づけで考えてください。パーソナルトレーナーとして確実に採用されたい方は、回り道をせず、パーソナルトレーナー養成スクールに入校することが近道と考えるべきでしょう。