このページでは、トレーナーとして自らの価値を高めるために役立つあん摩マッサージ指圧師の資格について紹介しています。「どのような資格なのか」「資格を取得するためにはどういったプロセスが必要となるのか」「トレーナーでありながらこの資格を持っていると、どのようなメリットがあるのか」などの疑問に答えるべく、情報をまとめました。
あん摩マッサージ指圧師になるには、大きく分けて次の知識と技術が必要です。
着用している薄い衣類の上からあん摩や指圧の施術を行い、気の流れおよび血液の流れに働きかけます。
あん摩や指圧とは異なり、患者さんの皮膚に直接触れてケアする方法です。そのため、マッサージをする際には、オイルやクリームが必要となります。
あん摩・指圧・マッサージについて、「エステサロンで行なうマッサージとの違いがわからない」という方もいるかもしれません。エステサロンでの施術目的がリラクゼーションであるのに対して、あん摩マッサージ指圧師が行なう施術は改善へと導くことが目的です。そのため、一定の条件はあるものの、保険の適用が可能な場合があります。このことから、医療的ケアのひとつとして捉えられている資格であることがわかります。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するためには、資格試験に合格する必要があります。ただ資格試験を受けるためには、厚生労働省や文部科学省が認可する機関で3年以上勉強しなくてはなりません。あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある専門学校や大学などに3~4年間在籍し、解剖学や生理学などをはじめとする専門科目を学習。そして、卒業試験に合格した後、あん摩マッサージ指圧師の資格試験を受験して合格すれば、資格を取得できます。
あん摩マッサージ指圧師は国家資格です。国試の受験者数は平成19年の12,614名をピークに減少傾向にありますが、令和元年は10,171名と、1万人以上で横ばいの状態が続いています。令和元年度の試験では、受験者数全体の中で75.5%が合格しています。平成28年度以降、75%前後で合格率はおおむね推移しており、受験者の半数以外が合格しているようです。
合格率のデータだけを見ると、易しい試験のように感じられるかもしれません。けれども、試験内容そのものよりも、受験資格を得るための教育機関に入学すること自体のほうが難しいといわれています。受験資格の中に養成校での学習が含まれることもあり、時間も年単位でかかることから、あん摩マッサージ指圧師の難易度はやや難しいと言えるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師の養成学校は数自体が少ないため、倍率が高くなり、入学自体が最初の関門になります。また東洋医学のブームや経済的不況などを背景に、一生働ける資格のひとつとしてあん摩マッサージ指圧師を選択する人も少なくありません。人気が高まっている状況も、入学が難しい理由としてあげられます。
あん摩マッサージ指圧師の資格を所有していると、さまざまな場面で活躍できます。なかでも、スポーツ選手が練習や試合を終えた後にあん摩マッサージ指圧師が活躍するシーンを思い浮かべる方が多いかもしれません。
激しく身体を動かすと、どうしても筋肉が強張った状態になります。そのため、スポーツを終えたら、張った筋肉をほぐして身体が正しい動作をできる状態に戻す必要があるのです。硬い状態の筋肉では、身体の可動域が狭くなり、ケガをする可能性が高まってしまいます。またケガをしなくても、身体をベストなコンディションにしておかなければ、選手のパフォーマンスの質が低下。あん摩マッサージ指圧師は、アスリートをはじめ、体を酷使した方の身体的アフターケアを行なう職種として、活躍しています。
トレーナーとして働くことを希望している人も、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得しておくと、アドバンテージを得られる可能性が高いでしょう。
トレーナーになるために必ず取得しなくてはならない国家資格は、ありません。しかし、トレーナーとしての価値を高めたり、豊富な知識でお客さんに安心感を与えたりするためにも、国家資格を所有していることは大きくプラスに作用するでしょう。またスポーツトレーナーとして選手やチームに同行させてもらえるような契約を結びたい場合も、国家資格を何も持っていなければ、契約まで話を進める事自体が難しいかもしれません。
スポーツ選手は特に、ケガを負うリスクが高い職業のひとつだといえます。選手がケガをした場合に、特別な道具を用いることなしに身体に触れ、すぐに施術を行なえるあん摩マッサージ指圧師はとても重宝されるでしょう。あん摩マッサージは身体機能の回復に向けて働きかけられる国家資格。養成学校でマッサージだけでなく生理学・解剖学・医学概論など幅広い知識を得るため、専門資格を得ることでトレーナーとしてより幅広く活躍できるでしょう。