「高齢者体力つくり支援士」とは、どのような人に役立つ資格なのでしょうか。その取得方法や費用、活躍の場などについて解説します。
高齢者体力つくり支援士の資格は、「公益財団法人体力つくり指導協会」という内閣府所管の団体が管理している資格。高齢者の「健康づくり支援のプロ」として、健康管理の方法を指導し、体力づくりをサポートする人に向けた内容となっています。
高齢者体力つくり支援士には基本の資格である「マスター」と、上位の資格「ドクター」の2種類があります。マスターを取得することでドクターの受験ができる仕組みです。
高齢者体力つくり支援士を受験をするには基本的に、以下の条件の「いずれか1つ」を満たしている必要があります。
上記のいずれも満たしていない場合でも、以下の条件を満たす場合には、例外として受験を認められることもあります。以下の条件については、状況によって受験の可否が異なりますので、詳しくは申込みの際に確認してください。
まず「高齢者体力つくり支援士資格検定講習会」を受講します。その最終日に筆記テストを受けて合格すれば、資格取得完了というシンプルな取得方法です。
講習会の申込みは、公式HPまたは郵送、FAXによって応募が可能。講習会は合計で5日間ありますが、マスター資格に限り、日程を分散させて受講することもできます。
講習会の費用はマスターで税込8万8000円、ドクターは税込7万8925円。合格した場合、認定費用としてさらに税込3万3000円を支払います。支払い方法は銀行振込で、クレジットカード払いは非対応です。
資格の有効期限は4年間で、更新するには「更新セミナー」を受講し、有効期限までに8.0単位以上を取得する必要があります。
90分のセミナーを受講することで「1.0単位」と換算される仕組みです。協会の主催するセミナーだけでなく、外部団体の主催するセミナーでも単位を取得可能。全国各地で定期的に開催されているので、忙しい人でも参加しやすくなっています。
また、更新手続きの際には「更新登録料」として税込2万2000円の支払いも必要です。
高齢者体力つくり支援士は、資格を取得して終わりではなく、継続的なサポートや情報提供を受けられるのが特徴です。定期的に開催される更新セミナーや、会報の「支援士だより」によって、常に最新情報を得る機会を提供してくれます。
また、運動プログラムの開発にも力を入れており、その研究成果を高齢者体力つくり支援士に還元。その研究は、協会の運営する施設で、高齢者体力つくり支援士による高齢者向けの運動教室で実施されているものです。
高齢者を問わず、人を相手にするトレーナーの仕事は、常に最新情報を把握することが求められる分野ですので、このようなサポートが得られるのは有意義なものといえるでしょう。
高齢者体力つくり支援士の受験資格には、体育系の学歴や、運動・医療系の資格などが求められているので、既にスポーツ・フィットネス業界で働いている人の付加的な資格として利用されることが多いようです。
既に現場で働いている人が高齢者体力つくり支援士の資格を取ることで、高齢者に指導するためのスキルが身につき、提供できるサービスの幅を広げることにつながります。介護施設でのリハビリや、レクリエーションなどのスキルとしても役立つでしょう。
高齢者が増加していく時代において、高齢者体力つくり支援士はニーズのある資格だといえます。既にスポーツ・フィットネス業界で働いている人も、高齢化が進むにつれて、高齢者に特化したスキルや知識が求められる機会が増えていくことが予想されます。
また、介護業界においても、他の人との差別化を図るために、高齢者体力つくり支援士の資格を取ることは武器となるでしょう。