シニアフィットネストレーナー(SFT)という資格はどのように役立つのでしょうか。取得するための条件や、難易度、活躍の場についても確認しましょう。
シニアフィットネストレーナーは、NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)が管理する資格です。
シニア向けの資格ということではなく、「シニア世代を顧客とするトレーナー」を対象としており、資格を取得する人は15~64歳の現役世代が中心。資格取得を通じて、シニア世代の暮らしをサポートするための「ストレッチ」「コーディネーショントレーニング」「レジスタンストレーニング」「バランストレーニング」などを組み合わせたメニューを作る方法を学べます。
NESTAは国際的に認知されていて、「NESTA-PFT」など海外でも通用する資格がありますが、シニアフィットネストレーナーは地域ごとに資格認定されるため、日本で取得した場合には国内だけで通用する資格です。海外で資格を活かしたい人には向かいないかもしれません。
シニアフィットネストレーナーの資格を取得するには、講習会を受講し、筆記試験を受けます。18歳以上であれば、だれでも資格を取得可能です。
まず、公式WEBサイトから講習会の受講を申込みましょう。会場は東京・大阪・名古屋の3カ所。講習会には定員がありますので、早めに申込むことをおすすめです。
受講料は、税込6万3000円。NESTAメンバーシップ会員なら少し安くなり、税込5万9000円で受講できます。講習会は2日間で、合計16時間行われ、「解剖学」「生理学」など、トレーナーとしての基本となる学習だけでなく、シニア層特有の運動器疾患や身体評価など、シニア世代を顧客とするトレーナーが知っておくべき情報についても学べます。
またレッスンプランの作り方や、教えるためのスキル、心理学的知識など、シニア世代に運動指導をするうえで役立つ実践的な内容も学べます。
試験は「テイクホーム形式」で、自宅に試験用紙を持ち帰って記入し、1週間以内に回答用紙を郵送します。後日、合否通知が郵送で届けられ、合格の場合には資格の「認定証」が届くという流れです。
シニアフィットネストレーナーは、NESTAが主催する他の資格と比べて受験するための条件が緩いという意味では、難易度が低い方に分類できます。2日間の講習会で学んだ内容を、自宅に戻って筆記で解答するだけのシンプルな試験です。決められた時間内に回答するなど、スピードが要求される形式ではありません。
18歳以上という受験条件があるだけなので、学歴や実務経験などの条件がなく、実技試験もありません。講習会で説明される内容の理解さえできれば、だれでも合格できる資格だといえます。
シニアフィットネストレーナーの資格を持つ人が活躍できる場はいくつかあります。
一つは「シニア世代向けのフィットネスクラブ」での仕事です。高齢者の増加に伴って、介護予防や健康増進を目的としたフィットネスクラブのニーズは高まっています。
もう一つの活躍の場として「リハビリ施設」も考えられます。マッサージやストレッチ、栄養指導などができるスタッフとしてリハビリ施設で働くためにも役立つ知識を持っているのが、シニアフィットネストレーナーです。
また、シニアフィットネストレーナーの資格取得によって得た知識をベースにすることで、「柔道整復師」「理学療法士」など、さらに高度な資格を身に付けて、活躍の場を広げていくのにも役立つでしょう。
高齢化によってシニア世代の人口が増えていることから、シニアフィットネストレーナーの必要性は高まっているといえます。
加齢による体力の衰えや運動器の障害は、人の生活の質やライフスタイルに大きな影響を与える要素です。シニア世代の運動器のケアをサポートする知識を得られるシニアフィットネストレーナーは、これからの時代に役立つ資格だといえるでしょう。