スポーツ栄養士

スポーツ栄養士とはどんな資格なのか

スポーツ栄養士とは、2つの組織団体「日本体育協会」「日本栄養士会」が認定している資格です。平成20年度から、国庫補助事業として始まった認定制度です。

資格の名前からもわかるとおり、この資格は、アスリートのパフォーマンスをより高めるために必要不可欠な、栄養マネジメントを行なえるスタッフを養成するための制度だといえます。いわば、「スポーツの領域で活躍する管理栄養士」といった存在です。

オリンピック出場を目指すようなレベルのアスリートやプロのスポーツ選手だけでなく、スポーツに打ち込んでいる子供や、身体の健康を維持するために、あるいは趣味としてスポーツを日常生活に取り入れているシニア層のサポートも行います。健康への意識が高まりつつある中、スポーツ栄養士の資格を持っているパーソナルトレーナーなどは、多くのニーズが見込めるはずです。さまざまな目的でスポーツをしている人たちが、ケガなどのリスクをおさえつつ、安全に、そして楽しく健康的にスポーツを続けられるように、栄養指導をしていくという大切な役割を担っているといえるでしょう。

取得するための方法(条件)

スポーツ栄養士の資格を取得するためには、まず審査にパスする必要があります。審査に必要な資格は、次のとおりです。

スポーツ栄養士の資格が認定されるまでのプロセスは次のとおりです。

  1. 書類選考により資格取得に受けることが必要な講習の受講者が決定される。
  2. スポーツ指導者共通科目の講習会(152.5 時間)
  3. スポーツ指導者共通科目検定試験(筆記試験)
  4. スポーツ栄養専門科目講習(116.5 時間以上。ただし、この中に40時間以上のインターンシップも含まれている)
  5. スポーツ栄養専門科目検定試験(口頭試問とプレゼンテーション)

資格取得後の更新を忘れずに行うこと

スポーツ栄養士の資格は、一度取得したら終わりではなく、認定期間が定められています。認定期間は、資格が認定された日付から4年間です。資格の有効期限が切れる半年前までに、忘れずに更新の申請を行なう必要があります。申請を行なうためには、「日本スポーツ栄養学会」が認める研修会を受講するよう定められています。一度取得したからと油断せずに、常に自身の知識を新しい状態にし、資格保有者として見合うよう学んでいきましょう。

スポーツ栄養士の収入はどれくらい?

スポーツ栄養士の資格制度がスタートしたのは、平成20年度です。資格としては比較的新しい部類に属しているといえます。そのため、資格を取得した人がどれくらいの収入を得ているか、ということに関する情報は、今のところあまり明確ではありません。スポーツ栄養士の資格を生かした働き方もさまざまですし、職場によっても給与に差があると考えられます。

ただ、資格を取得している場合には、給与面で優遇される場合があると考慮すると、例えば、通常の栄養士の年収よりは多くの収入を見込めるといえるでしょう。あるいは、栄養士としてではなく、トレーナーやジムのインストラクターなどとしてスポーツ栄養士の資格を生かす場合では、資格がない人が得られない手当がプラスされるなどの可能性があります。どのくらいの収入を得られるかについては、採用試験を受ける前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

活躍の場

スポーツ栄養士の資格をもっていれば、ジムやリハビリ施設、スポーツセンター、トレーニング拠点などをはじめ、さまざまな場所・場面で、一般の人たちだけでなく、アスリートに対しても栄養管理に関する業務全般を実施できます。そのため、活躍の場は広範囲にわたります。主な勤務先としては、大学や専門学校などの教育機関や委託給食会社、病院などがあげられます。フリーランスとして活躍する人も多いようです。

具体的な仕事内容

パーソナルトレーナーとして働きながらスポーツ栄養士の資格を生かしたいと考える場合、具体的にはどのような仕事をすることが可能でしょうか。一例を紹介します。

クライアントがアスリートではなく一般の人であれば、「運動でボディメイクをするだけでなく、食事の管理もしてほしい」といったニーズを持っていることも多いはずです。その場合、運動のメニューだけでなく、食事のメニューの作成もあわせて行えます。

そうすることで、サービスの内容にクライアントがより満足できるでしょう。また、クライアントがアスリートであれば、よりよいパフォーマンスを発揮できるように、栄養の観点も含めた質の高いサポートを提供することが可能になります。

パーソナルトレーナーとしての自身のブランディングとして、スポーツ栄養士を目指す上で培った知識・スキルは活かせるでしょう。